【山口県 中小企業原油価格・物価高騰等対策支援事業補助金(第3次募集)】申請条件やスケジュールなどを解説します!

 令和5年5月19日より、山口県独自の補助金「中小企業原油価格・物価高騰等対策支援事業補助金」の第3次公募が開始されました。昨年、第1次、第2次の計2回の公募があった補助金で、非常に使い勝手が良く、問い合わせの多い補助金でした。
 今回、第3次公募の内容について、申請条件やスケジュール、過去2回との違いなどを解説していきます。詳しい内容などは専用サイトや募集要項を確認していただく必要がありますが、まずは全体像を掴みたいという方はぜひ最後までお読みいただけると嬉しいです。

原油価格・物価高騰等対策支援事業補助金 専用サイト
https://sanji.yamaguchi-genyu.jp

目次

補助対象者

 まず確認するのは、自社が当補助金の対象者であるかどうかです。
 対象者の要件はいくつかありますが、まずしっかり確認すべきなのは、①下記の売上減少要件をクリアしているかどうか、②当補助金を昨年利用したかどうか、この2点をまず確認しましょう。

①売上減少要件】
 原油価格や物価高騰等及びコロナ禍の影響により、令和4年5月から令和5年4月のうち、任意の3ヶ月の合計売上高または売上総利益が前年又は前々年(基準年)の同期と比較して減少していること

 基準年がコロナ禍の時期になりますので、その期間より令和4年5月〜令和5年4月の売上が減少しているという要件は意外とハードルが高いかもしれません。
 当補助金はあくまで、原油価格・物価高騰等により影響を受けている事業者への補助金ですので、コロナによる影響があるかどうかは関係ないということです。

 売上高比較の元となる資料として、下記の資料に記載されている金額で確認します。
個人の場合:確定申告書Bの収入金額等における事業収入(「ア」欄と「イ」欄の合計額)
法人の場合:法人事業概況説明書の「売上(収入)高」欄の金額
(※これらは申請書類として添付します)

 令和4年5月〜令和5年4月の間に決算期(個人の場合、確定申告)が来ていない場合、月次の事業収入がわかる帳簿等が確認資料となります。

【②去年この補助金を使った事業者は対象外】
昨年実施された当補助金(中小企業原油価格・物価高騰等対策支援事業補助金)の第1次公募、第2次公募の交付決定を受けた事業者は対象外となります。

【その他の要件】
③県内に事業所を有する中小企業等経営強化法第2条第2項に掲げる中小企業者等であること

④県内事業者において以下の取り組みを行う事業者であること
 ⑴省エネルギー機器の導入
 ⑵業務効率化に資する機器導入

補助金額・補助率

昨年の第1次公募、第2次公募と変更になっているのはこの補助率です。
第1次公募、第2次公募では補助率:3/4でしたが、今回の第3次公募では補助率:1/2になっています。

補助金額の上限は、申請者の従業員数によって決まる申請枠に応じた上限額になります。

申請枠補助金額の上限補助申請金額の下限
小規模事業者枠100万円5万円
中小企業者枠500万円30万円

 補助申請額の下限の考え方は、補助金としてもらえる金額がその金額以上にならなければいけませんということです。つまり、小規模事業者枠の場合ですと、補助金額は実際に支出する金額の1/2ですので、実際に支出する金額が10万円以上でなければ、補助申請金額の下限5万円を割ってしまうため、申請できません。

小規模事業者とは
業種従業員数
商業サービス業5人以下
宿泊業、娯楽業20人以下
製造業その他業種20人以下

従業員は「常時使用する従業員」であり、対象者は「予め解雇予告を必要とする者」となります。法人の役員や個人事業主は含まれません。

申請スケジュール・申請方法

申請期間:令和5年5月19日(金)~令和5年6月16日(金)

申請方法:郵送または電子申請(※郵送申請の場合、6月16日消印有効)

補助対象経費

補助対象経費具体例
省エネルギー機器の導入型
(固定費削減に資する設備)
LED照明、調光制御設備、高効率空調設備、人感センサー、デマンド監視制御装置、高効率ボイラー、高効率変圧器 等
生産性向上型
全自動食品下処理器、急速冷凍機、NC加工機 等
賃借料対象期間内に契約、機器設置や工事が完了し、かつ経費の支出が完了(期
間内の領収証等支出証拠書類が存在)した機械・設備のリース料・レン
タル料 等
施設改修費高効率空調設備等の設備設置による改修費 等
備品購入費物品(取得価額が10 万円以上(税抜))の購入に要する経費
消耗品費物品(取得価額が10 万円未満(税抜))の購入に要する経費

汎用品(パソコン、タブレット、車両)や不動産や自社の整地整備に係る経費、構造物の新築等は対象経費外になりますのでご注意ください。

事業対象期間

令和5年4月1日(土)~令和5年12月22日(金)

 この期間内に、補助対象設備の契約機器設置工事、経費の支出が完了する必要があります。
※賃貸料を補助対象とする場合については、上記期間内に契約し、リース・レンタル等をしたもので、かつ期間内の経費の支出のみが対象となります。

申請から補助金をもらえるまでの流れ

申請から補助金が実際に入金されるまでの流れは、基本的に他の補助金と同じです。

STEP
申請要件の確認

上記の補助対象者であるか等の要件を満たすかどうか確認します。

STEP
申請書類の作成・準備

当補助金のサイトから様式をダウンロードし、申請書類を作成します。併せて必要な添付書類を準備します。

STEP
申請手続き

郵送または電子申請で申請を行います。申請書類の不備や確認などで事務局から問い合わせが来ることがありますので、申請書類は控えが確認できるようにしておきましょう。

STEP
採択結果の通知

審査会による審査を経て、採択結果を交付決定通知または不交付決定通知が届きます。

STEP
事業実施

備品の購入や施設改修等が未実施であれば、令和5年12月22日までに、契約、納品、支払い等を完了させる必要があります。

STEP
実績報告

事業が完了したら、実績報告書の作成、事業を実施したことを証明する資料(納品書や領収書、購入した機器の写真等)を添付し、実績報告を行います。

STEP
補助金額の決定

実績報告を元に、補助金として入金される額が決定します。

STEP
補助金の入金

以上のステップをすべて完了させると希望する銀行口座に補助金が入金されます。

補助金額は交付決定額より上回ることはできませんので、申請の際は見積もりを取るなどでだいたいの支出金額を把握しておくことが大切です。

申請時の必要書類

 申請時に必要な書類は大きく、申請書類と添付書類です。申請書類は5種類ありますが、1つのエクセルファイルの中でシートごとに分かれていますので、実質は1つのエクセルファイルで完結します。
 添付書類は募集要項に詳細が書かれていますがわかりづらいので、下記を参考しシンプルに考えることが良いかと思います。
※記入見本が専用サイトに掲載されていますので、基本的にはその記入例に沿って入力していきましょう。

【申請書類】
・交付申請書(申請者の情報などを入力します)
・宣誓・同意書(注意事項をチェックします
・収入申告書(売上減少要件を満たす具体的な金額を入力します)
・事業計画書(補助金を使ってどのような事業・取り組みを行うかを記入します)
・補助対象経費内訳書(支出する経費の内訳を入力します)

【添付書類】
・法人の場合
対象月と基準月が含まれている決算期の「法人事業概況説明書」と「確定申告書別表1」
決算を迎えていない月は、自社で作成している「月次の売上等がわかるもの」(帳簿等)

・個人の場合
上記法人の必要書類の「法人事業概況説明書」の代わりに「所得税確定申告決算書」と「確定申告書別表1」の代わりに「確定申告書第一表」が必要です。
確定申告を迎えていない月は、法人と同じく、自前で作成している「月次の売上等がわかるもの」(帳簿等)

法人事業概況説明書・所得税確定申告決算書は、申請書類の収入申告書に入力する数字を照らし合わせるのに使います。それぞれ月次の売上高が記載されていますので、「そこが必要だから添付するんだな」とご理解ください。
確定申告書は、法人・個人の情報と照らし合わせるのに使います。

加点項目

パートナーシップ構築宣言を行った事業者は第3次公募から加点項目が追加になっています。

下記のサイトから登録が行えます。
https://www.biz-partnership.jp/

宣言書を作成し、登録する必要がありますが、雛形を活用すればさほど難しい内容ではありませんので、余裕があれば行うと良いかと思います。

まとめ

 以上、山口県独自の補助金「原油価格・物価高騰等対策支援事業補助金」の申請要件やスケジュール、申請方法などを解説しました。
 実際の申請手続きは、実績報告まで含めるとなかなか手間と時間がかかるものかと思います。補助金を活用したいが、申請する時間がない、やっぱりよくわからないなどお悩みの方は、当事務所にぜひご相談・お問い合わせください。

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