産業廃棄物収集運搬業や処分業の新規・更新の許可申請においては、役員等の「講習会」受講が必要です。
そもそも知らなかったり、正しい講習会を受講できていなかったりと、許可申請の際に意外と引っかかってしまうポイントですので、しっかり確認していきましょう。
講習会の概要
産業廃棄物処理業の許可申請をする場合には、「公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター」が主催する講習会を受講して修了証を取得する必要があります。

講習会の種類
下記の組み合わせ(12種類)から、自社が取得したい許可に当てはまるものを受講します。
例えば、新規で普通産廃の収集運搬業の許可を取りたい場合には、①の講習会を受講することになります。
新規or更新 | 産廃or特管 | 収集運搬業 | 処分業 | 両方 |
---|---|---|---|---|
新規 | 産廃 | ①25,300円 (12時間) | ②39,600円 (19時間) | ③57,200円 (21時間) |
特管 | ④37,400円 (16.5時間) | ⑤56,100円 (24時間) | ⑥83,600円 (27時間) | |
更新 | 産廃 | ⑦16、500円 (6時間) | ⑧20,900円 (9時間) | ⑨33,000円 (10.5時間) |
特管 | ⑩16、5000円 (6時間) | ⑪20,900円 (9時間) | ⑫33,000円 (10.5時間) |
受講のポイント
取得したい許可に応じた講習会の受講が必要ですが、ピンポイントに該当する講習会を受講する必要はありません。下記のように、特定の講習会を受講すれば他の講習会をカバーできるものもあります。(カバーできる範囲の広い講習会は当然ながら、受講料や受講金額が高くなります)
- 特管の修了証は産廃の許可申請でも使える
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特管は産廃よりも厳しい管理が求められる品目を扱いますので、産廃の講習会の内容もカバーできるという考え方です。
例えば新規の場合、④⑤⑥いずれかの修了証を持っていれば、①②③の許可申請でも使うことができます。
逆に、産廃の修了証では、特管の許可申請の書類としては使えません。 - 新規の修了証は更新の許可申請でも使える
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新規の講習会の修了証は、更新の許可申請でも使用することができます。新規の修了証の有効期限は5年間(更新は2年間)ですので、新規許可取得して5年後の1回目の更新のタイミングでは、新規許可のために受講した新規の講習会の修了証をしようすることができます。
逆に、例えば処分業の許可を持っていて、新たに収集運搬業の許可を取りたい場合に、処分業許可の更新の際に受講した更新の修了証を、新規の収集運搬業の許可申請に使うことはできません。

収集運搬業の許可をすでに持っている場合に、他県で新たに収集運搬業の許可を取る際には、新規の修了証が必要ですか?



別の都道府県で許可を持っている場合、他県では新規の許可申請であっても、更新の修了証でOKな自治体があります。詳細は、各都道府県の窓口に問い合わせてみてください。
受講の手順
なるべく移動距離が少なく、近い日程の講習会を受講するのが基本です。ただ、とにかく最短で許可を取る必要がある場合には、例えば沖縄在住で沖縄県の許可を取りたい人が来週、北海道で開催される講習会を受講することもできます。
コロナ禍になってから、講習自体はオンラインでの受講になっています。試験までにオンラインで講座の受講を終了しておく必要があります。
試験時間は40~70分、マークシート方式の試験です。試験に無事合格すると、修了証が後日郵送されます。
講習会の受講対象者
講習会自体は、誰でも受講が可能です。ただし、許可申請においては、社内の誰でも良いわけではありません。下記の表に該当する者の修了証でなければ、許可申請の添付書類としては使えません。
許可取得の主体 | 受講対象者 |
---|---|
個人 | ①申請者本人、②政令使用人 |
法人 | ①法人代表者、②登記されている役員、③政令使用人 |



政令使用人とはなんですか?



廃棄物処理法施行令において、「申請者の使用人であって、本店又は支店の代表者、又は継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で、廃棄物の収集運搬または処分の業に係る契約を締結する権限を有sるものを置くもの」と規定されています。
分かりにくいため、簡単に言うと、会社の支店の支店長などが政令使用人に該当するイメージです。