FUTAGO事務所通信(Vol.14_202311)

事務所通信2023年11月号の画像

※以下に本文の内容を掲載しております。読みやすいほうでご覧ください。

ごあいさつ

 いつもFUTAGO事務所が大変お世話になっております。

 先月号で「年収の壁」について取り上げましたが、10月は新聞報道などで「働き方改革」「人材不足」「賃金」など、労働市場の抜本的な改善が求められる話題が多かったように感じます。

 今年のノーベル経済学賞を受賞したのも、男女賃金格差の経済学的解明に寄与したクラウディア・ゴールディン氏でした。

 DX、AIなどIT技術の進化と共に時代の流れはものすごいスピードで変化している中、変化を先送りにし、旧態依然とした制度が残り続けた結果、世の中とのギャップを生んでいる現状があります。

 例えば、第3号被保険者は配偶者の扶養に入り年金保険料の支払いを免除されます。昭和の頃、夫が働き手、妻が専業主婦が当たり前の時代には適した制度です。しかし令和における「共働き」「女性活躍」などの考えとは大きなギャップがあります。

 働き方改革は制度の改定を待っているだけでは進みません。私たち事業者が自らの働き方、従業員の働き方をより良いものに変えていくと決め、本気で取り組んでいくことが何より重要です。FUTAGO事務所は労務に関わる事務所として、事業者様のより良い働き方をつくりご支援に今後も取り組んでいきます。

「生成AI」の活用について

最近話題の「ChatGPT」。聞いたことはあるが、使ったことがない。おそらく使えない。とスルーしている方も多いかもしれません。上手に活用することによって、業務効率を高め、間違いなく生産性向上に繋がるツールです。

 ざっくりと説明すると、ウェブ上にある大量のテキストデータをAIが学習し、その情報を元に、こちらの質問への回答、文章の要約などを生成してくれるAIツールです。ウェブサイトなどでたまに出てくるウェブ上のお問い合わせ窓口「チャットボット」も同様の仕組みです。

 ツールの種類が2種類あり、GPT-3.5であれば無料に使えますが、有料版のGPT-4であれば最新の情報も含めて生成してくれます。

 活用する上で重要なことは、「プロンプト」と呼ばれる生成AIに対して与える“質問”“指示”です。こちらが求める質の高い回答を得るには、生成AIに対して良いプロンプトを投げる必要があります。

 例えば、「当社は創業間もない会社で~」「○○についてメリットとデメリットに分けて~」「○○について10個~」など、前提条件や方向性などをプロンプトに盛り込むことで精度の高い回答を得ることができます。

 今回は、生成AIの初歩の初歩といった簡単な内容ですが、まずは実際に質問を投げかけてみるなど触ってみるなかで、自社で活用できることはないか検討してみていただけると良いかと思います。

※実際にChatGPTへ行った指示とその回答の抜粋

当事務所でも活用し始めています!

労働条件の明示のルール改正~2024年4月からスタート~

労働契約の締結・更新のタイミングの労働条件明示事項が追加されます

スクロールできます
明示のタイミング新しく追加される明示事項
全ての労働契約の締結時と
有期労働契約の更新時
1.就業場所・業務の変更の範囲
有期労働契約の締結時と更新時2.更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容
無期転換ルール※に基づく
無期転換申込権が発生する契約の更新時
 3.無期転換申込機会
 4.無期転換後の労働条件

※ 同一の使用者との間で、有期労働契約が通算5年を超えるときは、労働者の申込みにより、期間の定めの ない労働契約(無期労働契約)に転換する制度です。

全ての労働者に対する明示事項

就業場所・業務の変更の範囲の明示
全ての労働契約の締結と有期労働契約の更新のタイミングごとに、「雇い入れ直後」の就業場所・業務の内容に加え、これらの「変更の範囲」 についても明示が必要になります。

有機契約労働者に対する明示事項等

1.更新上限の明示

有期労働契約の締結と契約更新のタイミングごとに、更新上限(有期労働契約の通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容の明示が必要になります。

更新上限を新設・短縮する場合の説明
下記の場合は、更新上限を新たに設ける、または短縮する理由を有期契約労働者にあらかじめ (更新上限の新設・短縮をする前のタイミングで)説明することが必要になります。
(1)最初の契約締結より後に更新上限を新たに設ける場合
(2)最初の契約締結の際に設けていた更新上限を短縮する場合

2.無期転換申込機会の明示

「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換を申し込むことができる旨(無期転換申込機会)の明示が必要になります。

3.無期転換後の労働条件の明示

「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換後の労働条件の明示が必要になります。

均衡を考慮した事項の説明
「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換後の賃金等の労働条件を決定するに当たって、他の通常の労働者(正社員等のいわゆる正規型の労働者及び無期雇用フルタ イム労働者)とのバランスを考慮した事項
※4(例:業務の内容、責任の程度、異動の有無・範囲 など)について、有期契約労働者に説明するよう努めなければならないこととなります。

具体的な対応は「労働条件通知書」や「雇用契約書」の記載内容の変更が必要となります。 詳しくは当事務所までお問い合わせいただくか、厚生労働省HPをご確認ください。 

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