(もう勘違いしない!)【補助金・助成金】 ~それぞれの違いを解説~

比較

 「補助金」と「助成金」普段使われる2つの言葉の違いを意識して使い分けていますか?

 事業者様とお話する中で、「補助金使いたい!」とご相談いただき、「どういった補助金ですか?」とお話を伺うと、「それは助成金話ですね」ということがよくあります。その逆もまた然りです。
「お金もらえるから同じでしょ!?」と思っているお客様を多くいらっしゃるかと思います。
今回、「補助金」と「助成金」の違いについてまとめてみます。

補助金・助成金の定義

補助金・助成金の比較

種類補助金助成金
代表例小規模事業者持続化補助金雇用調整助成金
採択・不採択あり(合格率50%前後)なし(要件がそろえば基本もらえる)
財源法人税雇用保険料
管轄主に経済産業省厚生労働省

 補助金と助成金、どちらも事業に使うお金を受け取れる点では同じものです。ですが、その中身はそれぞれ違いがあります。まず、助成金は申請先が厚生労働省管轄の部署(労働局等)であり、主に”ヒト”に関連して支給されるものになります。例えば、キャリアアップ助成金は「従業員さんが非正規社員から正社員に昇格した」といった場合などに申請ができます。国としては、正社員の雇用を推進したい意向がありますので、それを実現した事業者に対して助成金というかたちで支援を行っています。

 ちなみに、助成金は厚生労働省管轄であり労働社会保険に関する法令に基づく事業になるため、申請を本人または事業者に代わって代理申請することができるのは「社会保険労務士」のみとなります。広告等でコンサルティング会社が助成金の申請を代行しますと宣伝しているものを見ることがありますが、その行為は社会保険労務士法違反となります。

《参考》社会保険労務士法第2条1号

社会保険労務士は、次の各号に掲げる事務を行うことを業とする。

 別表第一に掲げる労働及び社会保険に関する法令に基づいて申請書等を作成すること。

一の二 申請書等について、その提出に関する手続を代わつてすること。

※条文上の括弧内省略

 一方、補助金の定義はというと、上記の助成金やコロナで話題となった持続化給付金など給付金と呼ばれるもの以外全て(給付金は除く)が補助金と定義されます。

補助金の主な特徴

 補助金とは、事業者へ返済不要な金銭的支援を行うことにより、事業の発展を促進し、経済の活性化を図ることを目的とされます。法人税が財源となっています。助成金と比べて種類は非常に多く、国の予算で実施されるもの、地方自治体独自のもの、民間企業が実施するもの、全て合わせると7,000~8,000種類くらいあると言われています。また支給額は多いもので最大1億円規模になるものもあります。経費対象は、当該補助金の目的や実施する事業に関わる経費に限定されているものが多いという特徴があります。

主な補助金

  • 小規模事業者持続化補助金
  • ものづくり補助金
  • 事業再構築補助金
  • IT導入補助金
  • 事業承継・引継ぎ補助金

※その他各地方自治体独自の補助金を含めると8,000種類

助成金の主な特徴

助成金の特徴は、基本的には要件がそろえば受け取れるということです。採択不採択がある補助金とのおおkな違いです。種類は補助金ほどは多くありませんが、各助成金ごとに複数のコースが設けられていることが多く、申請者の状況に応じて活用することができます。補助金額は”1回の申請で○○万円支給される”ものや”対象者1名ごとに○○万円支給される”というように対象者の人数によって補助金額が異なるものもあります。

主な助成金

  • 雇用調整助成金
  • 業務改善助成金
  • 両立支援等助成金
  • 働き方改革推進支援助成金
  • キャリアアップ助成金
  • 人材確保等支援助成金
  • 人材開発支援助成金
  • 中途採用等支援助成金
  • 65歳超雇用推進助成金
  • 特定求職者雇用開発助成金

以上、補助金・助成金の違いについてまとめてみました。各補助金・助成金の中身について一つひとつの内容や要件を確認していくのはなかなか大変です。まずは社会保険労務士や行政書士など補助金・助成金を扱っている専門家に一度ご相談いただくのも良いでしょう。

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