ビジネス・商売に活かせる!【返報性の法則】~自分が意図する行動を相手から引き出す方法とは?~

皆さんは日頃、職場の上司や部下、同僚、また家族である妻や夫、子供などに対して、
「もっとこうしてほしい!!」と歯がゆい思いになったことはありませんか?
私はたまにあります。
自分自身の行動や習慣を変えることは簡単ではないですが、他人の行動を変えることはもっと難しい。
いや、不可能に近いと思われている人も多いでしょう。
そういった時に、今回ご紹介する返報性の法則をご活用されてみてはいかがでしょう。

返報性の法則とは?

「他人がこちらに何らかの恩恵を施したら、自分は似たような形でそのお返しをしなければならない」

このフレーズを聞いて、どのように思われるでしょうか。
「いや自分はそんなことはない!」と感じる人はいるでしょうか。
大半の人は「そうだな」と感じると思います。

親切や贈り物、招待などを受けると、そうした恩恵を与えてくれた人に対して、「将来お返しをしなければ」という気持ちになります。恩恵を受けると何か”借り”ができたような気分になるのは、ごく普通の、多くの人が感じる普遍的な感覚だと思います。

これが返報性の法則です。

私たちの先祖は、食料や技能を共有し、労働を分担し、多種多様の物やサービスを交換することで、これまで「個人」「個人」であったものが、能率的な集団となり、人間社会は進化してきました。
その進化が実現できたのは、人類に根付いている「返報性の法則」がある故です。

ヒトは食料や労力、世話といったものを他者へ与えても、それが決して無駄にならないと確信しています。それは、人間同士が培ってきた「社会性」の特徴であると言えます。
「ギブ・アンド・テイク」という言葉があるように、ヒトは様々な資源を形の上では無償で与えたとしても、本当に無償で提供するわけではないという共通理解があります。
「返報性の法則」によって培われた「社会性」が無ければ、この共通理解は成り立ち得ないでしょう。

ビジネスに活用するには?

それでは返報性の法則をビジネス・商売に活用するにはどうすれば良いでしょうか。

これを考えるためには、世の中で返報性の法則をビジネス・商売に活用している例を考えると良いでしょう。

スーパーマーケットの試食コーナーでは、「返報性の法則」が活用されています。

皆さんも一度はスーパーマーケットの試食コーナーで試食をしたことがあるでしょう。
試食はもちろん無料です。私たちは試食しただけでその商品を買う必要はもちろんありませんし、そのことを理解しています。また、スーパーの店員も「試食だけはお断り」と言うことは無いでしょう。

しかしながら、試食だけしてその場を立ち去るのは何か申し訳ない気持ち、後ろ髪を引かれる気持ちになったことはありませんか?

そのような気持ちから、その商品は特に欲しい商品ではないが少しだけ買っていこうと商品を手に取ったことはありませんか?

これがまさに返報性の法則と言えます。

はじめに、相手の行動を変えることは難しいと書きました。
スーパーマーケットの試食コーナーは、商品の一部を無料でお客さんに与えることによって、そのお客さんに何かお返ししなければという気持ちが抱かせます。
お客さんがその気持ちを抑えるには、スーパーマーケットに対して何かお返しをしなければなりません。その方法は多くは商品を購入するということになるでしょう。それによって、お返ししなければという気持ちは解消できます。

つまり、試食によって私たちはスーパーマーケットが意図する行動を起こさせられているということになります。
「返報性の法則」をビジネス・商売に活用する一例であると理解できると思います。

まとめ

「返報性の法則」に関するいくつかの例を挙げてみました。いかがでしょうか?
これらの例を見て、「返報性の法則」をビジネス・商売に応用できそうなイメージが湧いてきませんか?

最後に、ひとつ興味深い話をご紹介します。

「返報性の法則」は、「ギブ・アンド・テイク」という言葉とも同様の意味であると言えます。
アメリカのある小学校の先生は、生徒に対し、過去・現在・未来時制についてテストを行いました。

先生は生徒に対し、ある質問をしました。

「私は与える(I give)の未来形は?」

生徒は自信満々にこう答えました。

「私はもらう(I take)」

先生が求めていた答えは「I will give」なのでしょう。
しかし、世の中的な答えは「与える(give)をすると、もらう(take)の未来になる」です。

このように「キブ・アンド・テイク」「返報性の法則」は、子供でも理解できるほど、人類に共通して根付いている法則です。この法則を活用するために、なにか特別なテクニックは必要ありません
少し意識するだけで、もしかするとこちらの意図するように他人の行動を変えられたり、ビジネス・商売で成果を上げることができるかもしれません。

ぜひご活用してみてください。

シェアはこちらから
  • URLをコピーしました!